ホームレスになった時の話(ホームレスの生活)

この記事の続きです。

 

rat20.hatenablog.com

 

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当時23歳、大学卒業後に就職した会社を9か月で辞めてホームレスになった。

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1.動機

別に貯金が無かったという訳ではない。

お金が憎かったのである。

何故こんなものの為に働かなければならないのか?

それを理解することが出来なくなり、お金が無くても生活する力さえあればお金なんて必要ない。

そうすれば働くことからも解放される。

そんなことを考え、僕はホームレスになった。

 

 

 

 

2.出発

当時は東京都内のアパートに住んでいたが、

そのまま都内でホームレスをする気にはなれなかった。

都内にいると、働いている頃や学生時代の頃を思い出してしまい辛かった。

何故自分だけが上手く行かないのかと考えてしまうのだ。

また、知り合いに自分のホームレス姿を見られるのも恥ずかしい。

 

季節も冬になり、寒い時期だったので、とりあえず福岡に行くと決めた。

自分の行ったことない場所に行きたいという気持ちと、

南下すれば少しは温かいだろうという安易な考えである。

 

                       

退職後、2週間ほどで住んでいたアパートを引き払い、スーツケース一つで福岡に向かった。新幹線で特急料金も奮発し、家から出て6時間くらいで博多駅に着いた。

別に急いでいた訳ではなかったが、お金に一切糸目を付けなかった。

今後お金に頼らないホームレス生活をするのだから、持っていても仕方ないだろう。

 

 

 

3.ホームレス生活開始・・?(1週目)

博多に到着し、ホームレス生活を始めた。

 

始める予定であったが、最初の一週間は懐に頼る生活を送ってしまった。

結果的にホームレスとは名ばかりであり、ただのネカフェに泊まるツーリストであった。

昼は知らぬ街をぶらりと歩きまわるか、パチンコを打つ。

夜は水炊き、もつ煮、地酒、ラーメンを食べ歩き、地酒やビールも飲んでいた。

そしてネカフェで夜を明かす。

初日は疲れたし、ネカフェに泊まって1日くらい観光しようと思ったらこのざまだ。

 

「豪遊っ・・・。二日続けて豪遊っ・・・!」

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カイジは二日目で猛省はする。

しかし僕はこの生活を一週間以上していた。

 

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しかし、この豪遊生活も途中で目を覚ます。

キャッシュカードからお金を降ろす時に、残高に驚愕する。

ここ一週間くらいで、20万程使っていたのだ。

んー東京と福岡の移動で2.5万

ネカフェ代と飯で合わせて1日7000円くらい。

一週間生活したので、7000×7+2.5万=7万4000円

んー採算が合わない。

 

そうパチスロで12万程使っていたのである。

正直、パチスロなど2、3回ほどしかやったことはなかった。

しかしパチンコ屋には荷物をただで置けるサービスがあるので、それだけ当初利用していた。暇を持て余して、1度1000円入れると3万になって返ってきた。そこからずぶずぶ沼に入っていった。

ちなみに目押しも出来ないので、打っていたのは目押し不要のGODとバジ絆である。

対して調べもせず打っていたので負けるのも当然であった。

 

正直パチスロを打っている時の心境は割と自暴自棄に近かったかもしれない。これで楽してお金が増えればそれはそれで良いし、なくなったらなくなったでええか。お金なんて憎たらしいし。こんな感じだった。

 

しかしいざお金が無くなっていることを実感すると、その重大さに気づく。

 

 

大切なものはいつも失ってから気づくのだ。

 

 

生活費で20万(内パチンコで12万)を一週間で無くなってしまったということ焦った。退職後にもお金が入って全財産は120万であったが、一週間で100万を切ったのである。

このペースだと1ヵ月ちょいで全財産無くなってしまう。

お金を使わないホームレスになる予定が、東京の高い家賃の中で引きこもっていた方が格安で暮らせていたという事実に呆れるしかなかった。

 

でもこの散財には大きな意味があったと思っている。

お金のことが大切だと実感できたのだ。

「お金なんて無くなっても大丈夫だ」と思っていても、いざなくなると大丈夫じゃない。

もしかしたら、仕事を辞めてお金を稼げがないが故に、お金というものにコンプレックスを抱き、自己欺瞞に陥ってしまっていたのかもしれない。

 

この散財によって、お金は憎い、しかしそれでも大切であり必要なもの。

それを再認識したことには大きな価値があった。

 

「いやパチスロで10万溶かさなくてもそれくらい分かるでしょ(笑)」

                          By友人

 

ぐうの音も出ない。

とりあえずこのまま残り100万を使い切らずによかった。

不幸中の幸いである。

これを気にこの生活を辞め、ホームレス生活へ邁進した。

 

 

 

 

 

 

4.ホームレス生活開始(2週目~3週目)

このままじゃいけないと思い、二週間目から生活を変えた。

 

 

以下がホームレスのタイムスケジュールである。

 

9:00 マックか公園で起床(ほぼ眠れない)

公園は寒すぎるので、基本的にマックが多かった。また、マックは充電ができwifiもあり非常に優秀であった。朝の通勤ラッシュを2階から眺めるのが習慣となっていた。

 

 

9:00~12:00 昼寝

 雑居ビルやゲーセン、晴れていれば公園のベンチで寝る。正直、夜はマックや公園で眠れない。寒いし、体勢も窮屈だ。結果的に昼ぽかぽかしているときに、建物の中で昼寝と移動を繰り返すか、公園で寝ていた。

 

 

12:00~13:00 飯 

昼ごはんは公園で水を飲む。後は観光スポットもあったので、試食コーナーを漁る。

正直、ゴミあさりは出来なかった。ゴミ漁るくらいなら要らないと思ってしまった。

まだまだホームレス修行が足りない。

後は炊き出し.comで炊き出しの日時と場所を調べ、参加した。

 

炊き出しでも他ホームレスとの差を感じた。

もの凄いボランティアの人にがっつくホームレスが多かったのだ。

あれもくれ、これもくれと、主張が凄い。

僕は欲しいといえば、もっと欲しかったけどそこまで主張することは出来なかった。

明日のご飯もままならない毎日を送っていれば、そうなるのだろうか。

 

 

13:00~19:00  昼寝&風呂&洗濯

持っている服が少なかったので、洗濯も週に3回くらいしていた。

少しそこのおばちゃんと仲良くなった。

風呂は銭湯かネットカフェ。ネットカフェの場合、持参している水筒にジュースいれていた。すみません。

割とホームレスにしては、身なりは綺麗だったと思う。

社会人生活後半よりは風呂(シャワー)に入っていた。

スーツ姿の社会人だった頃より、ホームレスの方が身だしなみを気にしていたなんて滑稽な話である。

 

じつはここまで身なりを気にしていたのは、友人の影響もある。

ホームレスになることを友人に相談したときに、

 

「臭いのは辞めて、迷惑だから。」

と言われていたのでそれだけは死守しようと思っていた。

「心乱れは、身なりの乱れ」ということもあるかもしれないが。

 

余った時間は昼寝続行である。

 

 

19:00~23:00 晩飯&徘徊

これも再びお昼にお世話になった試食コーナーでごちそうになる。

後は半額弁当系を1個購入した。食費は1日500円に満たないだろう。

後は適当にブラブラしていることが多かった。

同じホームレスを観察していたり、暖かく過ごせる場所を探したり。

 

 

23:00~9:00 マックで就寝。

合言葉は「ハンバーガー1つと水」

眠れないので、wifiと充電器を利用して暇をつぶしていた。

 

公園で寝ることも考えたが、手はかじかみ、足先を赤くなる。

凍死も覚悟したので、マックに居座った。

 

 

 

1日1000円以下で生活していた。

もっと安く生活することは可能であったが、結局お金を持っていると少なからずそれに甘えてしまう。

お金を使うことが習慣化しており、その万能性についても脳に染み着いていたのかもしれない。

この生活を2週間ほど送ったが、「ゴミを食べるくらいならお金を払う」と考えている辺り、僕がやっていたことはホームレスごっこに過ぎなかった。

 

 

因みにホームレス生活の中で、例外として1つだけ高い買い物した。

 

1万円の靴である。

 

元々履いていた靴は、安物のスニーカーであった。

別に、歩いている分には気にならない。

しかし、マックなど1つの場所に留まる時に異様な匂いを感じる。

正直、めちゃくちゃ臭い。靴を脱いだら脱いだで、周囲に悪臭をばら撒くこととなる。

脱がなくても、靴の中は蒸れていて、多少なりともその悪臭は漂う。

流石にマックで注意されたことはなかったけど、この匂いを感じた人はいたのかもしれない。

ホームレスには家が無い。家が無いと靴を脱ぐ機会が極端に減り、常時靴を履いていることとなる。臭くなるのは当たり前かもしれない。

 

なので、通気性の良い1万円のウォーキングシューズを買った。

毎日靴下が凄い臭いになっていたが、それも大きく改善され、マックで少し快適な時間を過ごせるようになった。しかも普段もかなり歩くことが多かったので、とても生活が改善されました。

 

今後、家を失う人に1つアドバイスをするとしたら、

 

「ゴミを食っても、良い靴を履け」

 

もう一つ豆知識としては、荷物はパチンコ屋、ゲーセン、雑居ビルで無料で預け入れ出来る所があるので、そこを利用すると良い。

色々な場所を使えば、目につくこともないだろう。

公園で寝るときの荷物の心配もしなくてよいし、疲れにくい。

ホームレスの際、役に立つアドバイスはこれくらいだろうか(少ない)。

 

 

5.ホームレス生活の感想

この煮え切らないホームレス生活は非常に無意な生活であった。

 

体が冷えないようにひたすら温かい場所を巡り廻る。

水を飲む為に、ご飯を食べる為に移動する。

洗濯、シャワーのためにも移動を繰り返す。

寝れる場所を探し、見つかったら寝る。

より安く暮らす為に、新しい安置を開拓する。

 

生きる為だけに、多くの時間を消耗していた。

 

ホームレスになる前の生活は、生きることは前提条件であり、生きていることは当たり前であった。だからこそ、生きる目的や意味を考えることがあった。

 

しかし、ホームレス生活では「生きること、生活すること」そのものが目的となる。

人間というより、動物のような生き方に近い。

しかしこのような生活の中では、悩みも少なくなる。

とりあえず少ないお金で、1日を生き延びることができれば満足だった。

健康に生きてさえいえれば、良かったのかもしれない。

 

 

普通に家で生活を営めば、蛇口を捻れば水は出るし、買ってくればその場で飲み食いもできる。それに雨風も簡単に凌げるだろう。

しかし家が無ければ、それらを享受するために多くの時間を使うのだ。お金の代りに・・・・。それが僕のホームレス生活だった。

 

この生活を続けることが、本当に有意義なのか?と考えるどうだろう。

この生き方をすれば、自分の嫌な労働やお金というものから逃げられる。

しかし、そのために自分の殆どの時間を自分の生存のためだけに消費してしまう。

 

「生きるだけで良い」と「(生きるのは前提として)何かしたい」とでは大きく違う。

マズローの欲求5段階説を説明するつもりではないが、生きている上で、思考の階層が違うのかもしれない。

 

僕はやはり、「生きているだけ」では満足できなかった。特別何がしたいとかはなかったが、率直に言えばこの生活は「時間の無駄」であるような気がした。がっつり正社員で働けないからと言ってホームレスになるしかない訳ではない。もっと色んな生き方を模索したいと思った。

 

僕はホームレスを辞めた。

というより、振り返ってみれば僕がしていた事は

「ホームレスごっこだったかもしれない。

 

補足をしておくが、ホームレスであっても自分のような動物的な生き方をしていない方々も居る。集団生活を営んでいるホームレスさんや、上級者ホームレスさんはまた違う生活スタイルなのかもしれない。一概にホームレスがこのような生き方をしているとは思わないでほしい。あまり見られなかったが、良く笑っている楽しそうなホームレスがいたこともまた事実である。

 

生きる意味や目的が分からないと悩んでいる人は一度やってみると良いかもしれない。生きることが前提にあるという状況自体がかなり贅沢であるということを実感すると思う。ホームレスをやって生きる意味や目的が見つかるとは思わないが、生きる意味や目的というものが本当にそもそも必要なのか?いますぐ結論が必要なのか?そんなことを考える機会にはなるだろう。

 

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長くなりましたが、これでRatのホームレス生活編は終わりです。

長い割に身がありません。実際そんなものだったのかもしれません。

 

この後は、ホームレスを辞めると言っても家も仕事もありません。

しばらくはネカフェ難民として変わったバイト生活を送ります。

 

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それではまた。